Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

従来の治療に難治性の慢性創傷患者に対する補中益気湯の有益な効果:前向き無作為化試験

DOI: http://dx.doi.org/10.1111/wrr.12753www.ncbi.nlm.nih.gov

補中益気湯は高齢患者の重度の虚弱、食欲不振および消化不良の治療並びに日和見感染予防に用いられる漢方薬である。従来の治療に難治性の慢性創傷患者に対する補中益気湯の影響は、前向き無作為化試験で調査され、18例を実薬群(補中益気湯 7.5g/日経口投与)あるいは対照群(n=9)に割り当てた。12週間の試験期間中の創傷治癒は、深さ、滲出液、大きさ、炎症/感染、肉芽組織、壊死組織およびポケットの大きさに基づき評価した。12週目では実薬群9例全例で創傷治癒の進行が見られたが、対照群では3例のみ創傷治癒の進行が認められた(P<0.01;相対リスク3.00)。実薬群では、総スコアは8週以降に有意に減少した。本研究は補中益気湯が従来の治療に難治性の慢性創傷に対する治癒促進したことを示した最初の報告である。補中益気湯は、特に栄養失調の患者にとって、慢性創傷の補助療法としての選択肢となる可能性がある。この試験は、大学病院医療情報ネットワーク臨床試験登録システム(UMIN000031620)に登録された。

Impact Factor: 2.85 臨床試験登録番号: UMIN000010613