Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

漢方薬誘発間質性肺炎の発生率:大学病院の和漢診療科での10年間の後ろ向き研究

DOI: 10.1002/tkm2.1211

www.semanticscholar.org

【目的】現在、漢方薬と呼ばれる日本の伝統薬は、日本の国民医療制度に統合されている。日本では、間質性肺炎は、一部の医療用漢方製剤の添付文書に記載される薬物有害事象として説明されている。また、間質性肺炎を誘発する漢方薬の多くには、黄芩が含まれている。漢方薬による間質性肺炎の発生率は十分に研究されていない。したがって、本研究の目的は、医療機関漢方医学部門における漢方薬誘発間質性肺炎の発生率を評価することだった。

【方法】富山大学附属病院和漢診療科の医療記録に基づき、2008年から2017年にかけて漢方製剤による間質性肺炎を発症した患者を選択した。さらに、漢方製剤を処方された患者数および研究期間中に黄芩を含む漢方製剤を処方された患者の数を調査した。

【結果】10年の調査期間中に漢方薬を投与された3,590名の患者のうち、3名の患者が漢方製剤による間質性肺炎を発症した(発生率、0.08%)。これら3つのケースの原因漢方製剤すべてに黄芩が含まれていた。黄芩を含む処方を処方された1,111名の患者では、漢方製剤による間質性肺炎の発生率は0.27%だった。

【結論】発生率は高くないが、医師は漢方製剤、特に黄芩を含む製剤が漢方薬誘発間質性肺炎を引き起こす可能性があることに留意してほしい。