Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

肩こりと関連する便性状の変化に対する大柴胡湯:後ろ向き研究

DOI: 10.1002/tkm2.1219

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【目的】大柴胡湯は、肩こりや便秘を伴う腹部膨満の治療に使用されており、処方に伴う便の変化が懸念される。この遡及的観察研究の目的は、肩こりに対する大柴胡湯の効果と、肩こり軽減と便性状に対するその効果との関係を調査することだった。

【方法】2014年12月から2015年11月まで、前橋赤十字病院で閉経期症状と肩こりについて大柴胡湯で治療された中年女性の医療記録をレビューした。大柴胡湯の処方後2週間または4週間で、症状を評価し、改善、変化なし、または悪化として分類した。便の状態も評価され、便秘、正常、または下痢として分類された。Wilcoxonの符号付きランク検定を使用して、治療前後の症状の変化を分析した。スピアマンの順位相関係数を使用して、症状の変化と便の状態との関係を分析した。

【結果】大柴胡湯を投与された24名の患者のうち、肩こりは79%軽減された(P<0.05)。下痢は患者の8%で報告され、そのすべてがうつ病患者を含む非改善グループに分類された。肩こりと便状態の改善は、0.542の相関係数を持っていた。大柴胡湯は、有効だった患者の便状態を悪化させなかった。

【結論】大柴胡湯は、中年女性の肩こりを効果的に軽減し、肩こりが改善した女性では便の状態を悪化させなかった。大黄や他の処方ではなく、大柴胡湯は、肩こりのある下痢患者の代替治療法の選択肢である。