Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

柴苓湯および低用量アスピリンを使用した、抗カルジオリピンβ2グリコプロテインI複合体抗体陽性の習慣性流産患者の治療

DOI: 10.1111/jog.13871www.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】最近、抗リン脂質抗体の陽性は、さまざまな生殖障害の原因因子であることが広く認識されている。抗カルジオリピンβ2グリコプロテインI抗体(抗CL-β2-GPI)は代表的な抗リン脂質抗体であり、血栓症の発症および有害妊娠の多様性と強く相関している。このシリーズでは、漢方薬を使用して、抗CL-β2-GPI陽性の習慣性流産患者に対する効果的な治療法の解明を目指した。

【方法】抗CL-β2-GPI陽性の習慣性流産の21名の患者は、副腎皮質ホルモンを有りもしくは無しの中、柴苓湯および低用量アスピリンで治療された。21名の患者のうち、抗CL-β2-GPIの値は10名の患者で1.9から3.4の範囲で、11名の患者で3.5を超えていた。

【結果】現在のプロトコルで治療された21名の患者のうち、17名の患者で首尾よく妊娠し続けた(成功率:81.0%)。繰り返し流産を示した4名の患者のうち、2名で絨毛膜絨毛の染色体異常が観察された。したがって、これらの症例を評価から除外すると、成功率は89.5%(19例中17例)になる。

【結論】抗CL-β2-GPI陽性の習慣性流産患者に対する柴苓湯を採用した現在の治療の有効性が示された。

Impact Factor: 1.122