Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

プロトンポンプ阻害剤抵抗性GERDの治療に対する半夏瀉心湯の有効性と安全性:通常量のプロトンポンプ阻害剤と半夏瀉心湯の併用 対 倍量プロトンポンプ阻害剤:無作為化多施設非盲検探索的研究

doi.org

【背景】プロトンポンプ阻害薬PPI)-抵抗性胃食道逆流症(GERD)は、生活の質(QOL)の臨床的低下につながる。したがって、新しい治療オプションが必要である。我々は、PPI抵抗性GERD患者における半夏瀉心湯の有効性を判断するために、多施設無作為化並行群間探索的試験を実施した。

【方法】少なくとも4週間の標準PPIレジメンでPPI抵抗性GERDの患者78例を登録し、ラベプラゾールの通常用量(10mg/日)+ 半夏瀉心湯(7.5g/日;半夏瀉心湯群)の組み合わせとラベプラゾールの倍量投与(20mg/日、倍量投与PPI群)を無作為に割り当てた。主要評価項目は、FSSG(GERD症状の頻度スケール)スコアの改善の程度とFSSGスコアの経時変化とした。

【結果】2群間でFSSGスコアの改善度に関して有意差はなかった。総FSSGスコアと逆流症候群スコアは両群で経時的に有意に低下したが(p<0.001)、酸関連消化不良(ARD)スコアは薬物投与後1週間から半夏瀉心湯群で有意に低下し(p<0.05)、倍量投与PPI群よりも早期に状態が改善された。さらに、BMIおよび年齢に関する検査では、半夏瀉心湯群は、BMI<22(p<0.05)および65歳未満(p<0.05)の患者のARDスコアの改善度が、倍量投与PPI群よりも有意に高かった。

【結論】半夏瀉心湯は、特に消化不良症状のある非肥満および非高齢患者において、PPI抵抗性GERD患者に有益である可能性がある。

Impact Factor: 5.130 PMID: 31037449