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漢方薬の代替医療からの脱出

特発性レム睡眠行動障害に対する抑肝散の効果:継続している患者の後ろ向き分析

doi.org

【研究の目的】抑肝散は、レム睡眠行動障害(RBD)の治療に有効であると報告されている。ただし、抑肝散治療の有効性と安全性は、大規模なサンプルでは確認されていない。したがって、臨床記録を使用して、RBD患者に対する抑肝散治療の結果を遡及的に分析した。

【方法】治療の結果は、臨床重症度の重症度(CGI-S)および改善(CGI-I)スケールを使用して評価された。CGI-Iのスコアが1(著しく改善)および2(大幅に改善)の患者をレスポンダーとして分類した。非常に軽度のRBD症状の患者および詳細な臨床情報のない患者を除外した後、抑肝散単剤療法を受けている17例および他の薬物療法に加えて抑肝散追加療法を受けている19例を含む特発性RBD患者36例を分析した。

【結果】抑肝散治療開始時の患者の平均年齢[標準偏差、SD]は69.3[6.8]歳であり、RBD罹患率[SD]の平均期間は5.7[3.5]歳だった。重要なことに、抑肝散単独療法を受けている17例の患者のうち12例(70.6%)がレスポンダーだった。ただし、抑肝散追加療法を受けている患者の中で、レスポンダーの割合はかなり低かった(19例中4例の患者;21.1%)。1例の軽度の胃痛以外の有害事象は報告されていない。

【結論】抑肝散の有効性と有害事象の可能性が低いことを考慮すると、抑肝散はRBD患者の見込みのある治療法と考えるべきである。

Impact Factor: 3.396 PMID: 31482840 PMCID: PMC6707050