Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

大腸がんの日本人患者を対象に、半夏瀉心湯と経口アルカリ化のFOLFIRI.3誘発下痢の発生率を比較した無作為化対照非盲検早期第II相試験

DOI: 10.1111/jcpt.13020www.ncbi.nlm.nih.gov

【既知と目的】結腸直腸癌(CRC)のFOLFIRI.3レジメンによる化学療法を受ける予定の患者で、半夏瀉心湯を経口アルカリ化に置き換えることができるかどうかを調査する予備的臨床試験を実施した。

【方法】CRC患者は、半夏瀉心湯(7.5g/日)群または経口アルカリ化(重炭酸ナトリウム1.8g/;ウルソデオキシコール酸、300mg/日)群に無作為に1:1で割り付けられた。主要評価項目は、遅発性下痢の発生とした。合計30名の患者が、半夏瀉心湯群またはアルカリ化群のいずれかに無作為化された。

【結果と考察】群間で年齢、併用薬物、UGT1A1遺伝子型に統計的な差はなかった。アルカリ化群(n=15)では、グレード0/1/2およびグレード3の下痢の頻度は、それぞれ73%および27%だった。半夏瀉心湯群(n=14)では、グレード0/1/2およびグレード3の下痢の頻度は、それぞれ79%および21%だった。グレード4の下痢は、どちらの群でも観察されなかった。群間で他の有害事象やFOLFIRI.3への反応に統計的に有意な差はなかった。

【新知見と結論】この予備的試験は、半夏瀉心湯がFOLFIRI.3誘発性遅発性下痢を軽減するための有望な代替治療オプションであることを示唆しているが、これらの結果を確認するにはより多くの患者を対象とした追加の臨床研究が必要である。

Impact Factor: 2.167