Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

急性上気道感染症に関連した咽頭痛に対する桔梗湯対プラセボ:無作為化対照試験

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【目的】桔梗湯は、甘草と桔梗の抽出物の固定された組み合わせである。日本では伝統的に、急性上気道感染症(URTI)に伴うのどの痛みを和らげるために使用される漢方薬である。ただし、その効果を実証した対照研究はまだない。急性URTIに伴う咽頭痛に対する桔梗湯の有効性を調査した。

【方法】2017年12月から2018年5月の間に明石医療センター病院の総合診療科でURTIと診断された咽頭痛の患者が登録された。参加者は、年齢別と視覚アナログスケール(VAS)での咽頭痛スコアの層別化により、2群に1対1の比率で無作為に割り当てられ、2.5 gの桔梗湯またはプラセボを投与された。参加者と調査員は、グループの割り当てについて知らされていなかった。主要評価は、桔梗湯投与の10分後のVASの咽頭痛スコアの変化だった。副次評価は、投与後10分での咽頭痛の日常生活への影響(なし、軽度、中程度、および重度)だった。

【結果】35名の参加者が各群に割り当てられた(n=70、合計)。2群間で10分以内のVASによる咽頭痛スコアの平均変化の差は、統計的に有意ではなかった(桔梗湯 14.40対プラセボ17.00;p=0.39)。喉の痛みが日常生活に中程度以上の影響を与える患者の割合も、群間で有意差はなかった(桔梗湯 22.9%対プラセボ40.0%;p=0.20)。患者は副作用を報告しなかった。

【結論】桔梗湯は、プラセボと比較して、急性URTIに関連する咽頭痛を有意に軽減しなかった。

Impact Factor: 0.956 臨床試験登録番号: UMIN000035591