Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

便秘に対する大黄甘草湯とルビプロストンの比較検証:後ろ向きコホート研究

doi.org

大黄甘草湯とルビプロストン(LPS)は便秘に使用される薬だが、それらを比較した研究はほとんどない。この研究では、便秘に対する大黄甘草湯およびLPSの有効性、有害事象、および医療経済効率を調べた。2012年11月から2016年5月までの間に大垣市立病院に入院中に大黄甘草湯を投与された患者(大黄甘草湯群)およびLPSを投与された患者(LPS群)が登録された。薬物の有効性は、薬物投与の前後1週間にわたる排便頻度の中央値に基づいて評価され、その安全性は下痢、腹痛、悪心、嘔吐の有無によって評価された。医療経済効性を評価するために、週あたりの便秘の薬剤費が計算された。薬物投与後1週間の排便頻度の中央値(四分位範囲)は、大黄甘草湯群で8.5(6.0〜12.0)、LPS群で5(3.0〜7.0)であり、有意差があった(p<0.01)。下痢は、LPS群(17症例)よりも大黄甘草湯群(4症例)で有意に少なかった(p<0.01)。1週間の便秘のために投与された薬物の費用の中央値は、LPS群(1431[1135〜2344]円)よりも大黄甘草湯群(631[四分位範囲、513〜653]円)で有意に低かった(p<0.01)。大黄甘草湯は便秘に対してより高い即効性があり、便通の頻度が高く、下痢の有害事象がLPSより少ないことから、便秘の治療に効果的かつ安全である可能性があり、そして、大黄甘草湯は安価である。

Impact Factor 1.540 PMID: 31061310