Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

上部消化管症状に対する六君子湯:系統的レビューとメタ解析

DOI: 10.1016/j.ctim.2018.11.025www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】上部消化管症状は、胃切除後症候群や機能性消化不良などのさまざまな疾患における主要な問題である。これらの症状は、このような状況では完全に制御できず、生活の質が低下する。六君子湯は伝統的にこれらの症状を和らげるために日本で使用されてきた。この系統的レビューにより、上部消化管症状の緩和に対する六君子湯の有効性と安全性が評価された。

【方法】Ovid MEDLINE、Scopus、Cochrane Central Control of Controlled Trials、および医中誌を使用して、体系的な文献検索を実施した。上部消化管症状の治療のために六君子湯を代替薬と比較した無作為化比較試験は、言語制限なしで検索された。2人のレビュアーが独自に文献を評価し、特定された研究からデータを抽出した。各研究におけるバイアスのリスクが評価された。

【結果】合計2175人の参加者による24の研究がこのレビューに含まれた。六君子湯は、他の治療と比較して、Gastrointestinal Symptom Rating Scaleを介した上部消化管症状を有意に軽減しなかった(標準化された平均差-0.07;95%信頼区間[CI]、-0.31〜0.17;P=0.59)。5点スケールにおける症状は有意に軽減した(平均差、-0.38、95%CI、-0.55から-0.21、P<0.001)。薬物関連の重篤な有害事象は報告されていない。含まれた研究のほとんどは、バイアスの全体的リスクが高いか不明確だった。

【結論】六君子湯が上部消化管症状の緩和に有効であるかどうかはまだ不明である。さらに質の高い研究が必要である。

Impact Factor: 1.979