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漢方薬の代替医療からの脱出

プロトンポンプ阻害剤抵抗性非びらん性胃食道逆流症における食道運動機能と六君子湯の効果 : 前向き 、非対照、非盲検予備的試験

DOI: 10.1016/j.curtheres.2017.03.007www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】プロトンポンプ阻害剤(PPI)-抵抗性非びらん性胃食道逆流症(NERD)患者の食道運動性に焦点を合わせた報告はごくわずかであり、治療戦略は確立されていない。

【目的】PPI抵抗性NERD患者の食道運動性の特徴を明らかにするために、マルチチャネル腔内インピーダンスと食道内圧計(MII-EM)を組み合わせて食道機能を評価した。さらに、消化管運動促進薬である六君子湯の有効性を評価した。

【方法】30例のNERD患者が登録され、MII-EMを受けた。 8週間の六君子湯(7.5g/日)治療後、PPI抵抗性のNERD患者に対してMII-EMが繰り返された。症状は、Gastrointestinal Symptom Rating Scaleによって評価された。

【結果】PPI抵抗性のNERD患者では、complete bolus transit、食道の3次蠕動収縮、嚥下時の下部食道括約筋の残圧の測定値が標準値から逸脱し、食道クリアランスが悪化することがわかった。 六君子湯は、これらの患者の食道の3次蠕動収縮(P<0.05)、complete bolus transit(P<0.01)、および下部食道括約筋の残圧(P<0.05)を有意に改善した。Gastrointestinal Symptom Rating Scaleの総スコア(P<0.01)とサブスケールスコアの酸逆流症候群(P<0.05)、腹痛(P<0.05)、消化不良症候群(P<0.01)は、8週間の六君子湯治療により有意に改善した。

【結論】予備的研究では、PPI抵抗性のNERD患者には、六君子湯によって改善された食道および下部食道括約筋の運動障害があった。 PPI抵抗性NERDにおける六君子湯の食道運動活性を調べるさらなる研究が必要である。

CiteScore: 1.60 PMCID: PMC5522981 臨床試験登録番号: UMIN000003092