Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

集中治療室における循環器系疾患患者のせん妄予防に対する鍼灸及び漢方薬治療

DOI: 10.1142/S0192415X17500161www.ncbi.nlm.nih.gov

この研究の目的は、ICUの心血管(CV)疾患患者のせん妄の発生率を低下させるための鍼治療と漢方薬からなる併用療法の効果を決定することであった。対照期間中にICUに緊急に入院した29名の患者は、従来の集中治療で治療された。治療期間中の30名の患者は、従来の治療に加えて、鍼治療と漢方薬からなる併用療法を受けた。鍼治療は1日1回行われ、ICU滞在の最初の週に1日3回漢方薬が経口投与された。標準的な鍼治療のポイントは、GV20、Ex-HN3、HT7、LI4、Liv3、およびKI3であり、主な漢方薬は加味帰脾湯であった。ICUの錯乱評価法を使用して評価されたせん妄の発生率を、治療および対照期間で比較した。せん妄の発生率は、治療群の方が対照群よりも有意に低かった(6.6%対37.9%、P<0.01)。さらに、せん妄を起こした患者の攻撃的な行動に対する鎮静薬と非薬理学的アプローチは、対照群よりも治療群では使用され流ことが少なかった。治療群では重篤な有害事象は観察されなかった。鍼治療と漢方薬からなる併用療法は、ICUのCV疾患患者のせん妄の発生率を下げるのに効果的であることがわかった。この治療法の効果を確立するには、大きなサンプルサイズと並行無作為化研究計画によるさらなる研究が必要である。

Impact Factor: 3.510