Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

腹部手術後の胃腸障害の改善に関する大建中湯の効果を検討した無作為化比較試験のメタ解析

dx.doi.org

【目的】腸の機能障害は、腹部手術後の患者で最も一般的な合併症の1つである。漢方薬である大建中湯は、術後の腸機能障害を改善するために最近採用されている。このメタ分析の目的は、腹部手術後の腸機能不全の改善における大建中湯の有効性を評価することであった。

【方法】PubMed、Embase、およびCochraneライブラリーを体系的に検索して、腹部手術を受けている成人患者の無作為化比較試験(RCT)を特定した。主要な結果には、術後最初の放屁または排便の時間が含まれていた。ランダム効果モデルを使用して、95%信頼区間(CI)の要約平均差(MD)を計算した。

【結果】合計1,212例(大建中湯で618例、対照群で594例)の9つのRCTが本研究に含まれていた。対照群と比較して、大建中湯は有意な不均一性(I2=71%、P=0.004)で術後最初の放屁までの時間(MD、-0.41;95%信頼区間[CI]、-0.66〜-0.16;P=0.001)および不均一性なし(I2=40%、P=0.14)に排便(MD、-0.65;95%CI、-0.97〜-0.32、P<0.001)までの時間を短縮することにより術後腸管障害を効果的に改善した。手術の適応と手術の種類による感度分析でも同様の結果が得られた。

【結論】これらのデータは、大建中湯が腹部手術後の腸機能障害の改善に効果を示すという限定的な証拠を提供する。ただし、含まれる研究の不均一性のため、結果は慎重に解釈する必要がある。したがって、術後の腸機能障害の改善に対する大建中湯の有効性を示すには、さらなる調査を必要とする。

Impact Factor: 1.181 PMID: 29963534 PMCID: PMC6024081