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漢方薬の代替医療からの脱出

咳に対する漢方薬の麦門冬湯:系統的レビューとメタ解析

DOI: 10.1016/j.jep.2015.12.005

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【民族薬理学的関連性】麦門冬湯は韓国、日本、中国で咳を改善するために広く使われている漢方薬である。 6つの生薬(麦門冬、半夏、甘草、大棗、人参、粳米)で構成されている。

【研究の目的】この研究は、関連するランダム化比較試験(RCT)をシステマティックにレビューして、咳に対する麦門冬湯の有効性と安全性を判断することを目的としている。

【材料および方法】7つのデータベース(コクランライブラリー、MEDLINE、EMBASE、OASIS、RISS、CNKI、およびCiNii)の電子的および手動検索が、咳患者の麦門冬湯をテストするRCTについて2015年2月まで体系的に実施された。主な結果は、咳日記、視覚的アナログ尺度、または反応率を使用した咳症状の改善であった。含まれた試験のバイアスのリスクは、コクランのバイアスのリスク評価ツールで評価された。95%信頼区間(CI)で、治療後に持続する咳のリスク比(RR)を得るために、二分データをプールした。

【結果】2,453人の参加者が関わる9つのRCTが含まれていた。方法論的な質は、大多数の研究ではほとんど不十分であった。麦門冬湯は、様々な状態において従来の鎮咳薬と比較して、咳の重症度を74%低下させた(n=1,145;治療後に持続する咳のRR=0.26;95%CI、0.19-0.34、I2=0%)。感染症後の患者の従来の薬物療法に麦門冬湯を追加すると、5日目まで症状が有意に軽減されたが、その効果は1週間後には維持されなかった。慢性閉塞性肺疾患、肺癌手術および喘息を含む他の疾患/状態については、咳に対する麦門冬湯/麦門冬湯追加療法の根拠には一貫性がない。有害事象はまれなように見えるが、報告は不十分であった。

【結論】咳の麦門冬湯に関するシステマティックレビューとメタ解析からの現在の根拠は決定的ではなく、咳の管理におけるその立場を確立するために、麦門冬湯の厳密に設計されたプラセボ対照試験を実施することを提案する。

Impact Factor: 3.414 CiteScore: 3.68 PMID: 26666732