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漢方薬の代替医療からの脱出

肝移植後の経口および経腸カロリー摂取量に及ぼす大建中湯の効果:多施設無作為化比較試験

DOI: 10.1016/j.nut.2018.02www.sciencedirect.com

【目的】術後の早期経口または経腸摂取は、術後回復強化(ERAS)プロトコルの重要な要素である。ただし、肝臓移植(LT)を受けている患者に腸機能障害が存在する場合、通常の食物摂取または経腸栄養を早期に開始することはできない。この多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験の目的は、LTを受けている患者の経口/経腸カロリー摂取に対する大建中湯の増強効果を確認することであった。

【方法】14の日本のセンターでLTを受けている合計112名の成人患者が登録された。患者は術後1日目から14日目までに、大建中湯またはプラセボのいずれかにランダムに割り付けられた。主要評価項目は、POD 7の総経口/経腸カロリー摂取量、腹部膨満および腹痛とした。副次評価項目には、LT後の総経口/経腸カロリー摂取量の連続的な変化、および移植片の門脈血流量と速度が含まれた。

【結果】合計104人の患者(大建中湯、n=55;プラセボ、n=49)が解析に含まれた。主要評価項目に関して、2群間に有意差はなかった。ただし、術後の総経口/経腸カロリー摂取量は、プラセボ群と比較して大建中湯群で有意に加速された(P=0.023)。さらに、門脈血流量(POD 10、14)および速度(POD 14)は、プラセボ群よりも大建中湯群で有意に高かった(それぞれP=0.047、P=0.025、P=0.014)。

【結論】大建中湯の術後投与は、LT後の総経口/経腸カロリー摂取量と門脈血流量と速度を高め、ERASプロトコルのパフォーマンスに有利に貢献する可能性がある。

Impact Factor: 3.591 CiteScore: 3.42 PMID: 29747091