Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

開腹手術を受けた大腸がん患者におけるX線非透過性マーカーを用いた輸送能分析による大建中湯の臨床薬理学的評価:多施設二重盲検無作為プラセボ対象研究(JFMC39-0902 附随研究)

doi.org

【背景】この探索的試験は、大建中湯がS状結腸癌または直腸S状結腸癌の開腹手術を受けた患者の胃腸機能の回復を促進するかどうかを調べるために実施された。

【方法】2009年1月から2011年6月までに日本の11の臨床試験施設のいずれかで結腸切除を受けた88例が研究に登録された。患者は、術後2日目から術後8日目までプラセボまたは大建中湯(15.0g/日、5gを1日3回)のいずれかを投与された。 大建中湯の安全性プロファイルも術後8日目まで評価された。

【結果】71例(大建中湯、n=38;プラセボ、n=33)を統計的に解析した。6時間での小腸の肛門側の放射線不透過性マーカーの数は、プラセボ群よりも大建中湯群で有意に多かったが(15.19対10.06、p=0.008)、全通過解析結果と初回排ガス平均時間は2つの群間で有意差はなかった。

【結論】大建中湯は胃排出遅延の解消にはプラスの効果があるが、S状または直腸S状結腸癌患者の開腹手術後の術後麻痺性イレウスの解消効果は限定的である。大建中湯は術後の早期経口摂取に貢献する可能性がある。

Impact Factor: 5.130 PMID: 26162646