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漢方薬の代替医療からの脱出

治療抵抗性統合失調症における抑肝散の有効性と安全性:無作為化、多施設、二重盲検、プラセボ対照試験

doi.org

【目的】治療抵抗性統合失調症患者における抑肝散の有効性と安全性の評価を目的とした。 無作為化された多施設二重盲検プラセボ対照試験が実施された。

【方法】120例の抗精神病薬で治療された入院患者が含まれた。 患者は、抑肝散またはプラセボによる補助治療にランダム化された。 4週間のフォローアップ中に、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を使用して精神病理を評価した。

【結果】抑肝散は、治療抵抗性統合失調症の総PANSSスコア、陽性PANSSスコア、および一般的なPANSSスコアの低下においてプラセボよりも優れている傾向を示したが、その差はper-protocol set(PPS)およびintention-to-treat(ITT)解析のどちらにおいても統計学的有意差とはならなかった。 ただし、PPS解析では、プラセボ群と比較して、抑肝散群は、個々のPANSSサブスケールスコアである、会話の自発性と流暢性の欠如(抑肝散:-0.23±0.08;プラセボ:-0.03± 0.08、P<0.018)、緊張(抑肝散:-0.42±0.09;プラセボ:-0.18±0.09、P<0.045)、および情動制御の欠如(抑肝散:-0.39±0.10;プラセボ:-0.07±0.10 、P<0.037)において統計的に有意な改善を示した。

【結論】本研究の結果は、抑肝散が治療抵抗性統合失調症のPANSSスコアの低下においてプラセボよりも優れている傾向を示したが、その差は統計的に有意ではなかったことを示している。 しかし、プラセボ群と比較して、抑肝散群は個々のPANSSサブスケールスコアに統計的に有意な改善を示した。

Impact Factor: 1.984 CiteScore: 2.01

PMID: 25954314 PMCID: PMC4411464