Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

プロトンポンプ阻害薬抵抗性の非びらん性胃食道逆流症患者に対する六君子湯の無作為化、プラセボ対照、二重盲検臨床試験:

doi.org

【背景】この研究の目的は、PPI抵抗性非びらん性胃食道逆流症(NERD)患者におけるプロトンポンプ阻害薬PPI)と組み合わせた漢方薬である六君子湯の有効性を調べることであった。

【方法】PPI抵抗性NERD患者(n=242)は、六君子湯群[ラベプラゾール(10mg /日)+ 六君子湯(7.5g /1日3回)8週間]またはプラセボ群(ラベプラゾール+プラセボ)にランダムに割り当てられた。 4週間および8週間の治療後、胃食道逆流症の症状の頻度スケール(FSSG)、胃腸症状評価スケール(GSRS)、および簡易健康調査(SF-8)を使用して、症状と生活の質(QOL)を評価した。

【結果】4週間および8週間の治療後、群間でFSSGおよびGSRSスコアの改善に有意差はなかった。SF-8のメンタルコンポーネントサマリー(MCS)スコアは、4週間の治療後、六君子湯群(45.8±8.1から48.5±7.4)でプラセボ群(47.7±7.1から48.4±7.5)よりも向上した(P<0.05)。六君子湯による8週間治療は、低BMI(<22)患者のMCSスコアの改善により効果的であり(P<0.05)、女性および高齢(65歳以上)患者のFSSGの酸関連の消化不良症状を有意に改善した。

【結論】群間でPPI抵抗性NERD患者のGERD症状の改善に有意な差はなかった。しかしながら、六君子湯は、特に女性や高齢者において、非肥満患者の精神的QOLや酸関連の消化不良症状を改善するのに役立つ可能性がある。

Impact Factor: 5.130 PMID: 24535455