Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

機能性ディスペプシアの治療における六君子湯:多施設無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験

DOI: 10.1111/nmo.12348www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】六君子湯の大規模な無作為化プラセボ対照試験は実施されていないが、標準化された日本の漢方薬である六君子湯は胃内容排出を促進し、消化不良を緩和すると考えられている。この研究は、機能性消化不良(FD)の治療に対する六君子湯の有効性と安全性を決定することを目的としている。

【方法】FD患者は、この多施設、無作為化、プラセボ対照、並行群間試験で8週間、1日3回、六君子湯またはプラセボ2.5 gを投与された。主要評価項目は、試験薬を開始してから8週間後のレスポンダーの割合で、グローバル患者アセスメント(GPA)によって決定された。 4つの主要な消化不良症状の重症度尺度の改善も評価した。さらに、治療の前後に血漿グレリン濃度を検査した。

【主な結果】247名の患者が無作為に割り当てられた。 8週目に、六君子湯群(33.6%)は、プラセボ群(23.8%)よりもGPAレスポンダーが多くなったが、これは統計的有意には達しなかった(p=0.09)。六君子湯群では、8週目に上腹部痛が有意に改善し(p=0.04)、食後の満腹感が改善する傾向があった(p=0.06)。 ヘリコバクターピロリ感染の参加者では六君子湯はより効果的であり(六君子湯:40.0% 対 プラセボ:20.5%、p=0.07)、ヘリコバクターピロリに感染していない参加者の間では効果が低いようだった(六君子湯:29.3% 対 プラセボ:25.6%、p=0.72)。ヘリコバクターピロリ陽性の患者では、六君子湯群でアシルグレリンレベルが改善された。両群に重篤な有害事象はなかった。

【結論と推論】六君子湯を8週間投与すると、消化不良、特に上腹部痛と食後の膨満の症状が軽減された。

Impact Factor: 3.803 臨床試験登録番号: UMIN000003954