Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

アトピー性皮膚炎に対する黄連解毒湯と五苓散の効果:証に基づく予備的研究

DOI: 10.1089/acm.2011.0208www.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】黄連解毒湯と五苓散は、アトピー性皮膚炎(AD)、特にADの湿熱証を治療するために使用されている2つの一般的な漢方処方である。この研究の目的は、証に基づいてADの湿熱証を有する患者に対する黄連解毒湯と五苓散の安全性と有効性を決定することであった。

【方法】この研究は、並行、無作為化、実薬コントロール二重盲検試験である。合計24名の患者が登録された。黄連解毒湯と五苓散の併用、または黄連解毒湯単独のいずれかが、4週間毎日3回経口投与された。登録された患者のうち、19例が4週間の治療コースを完了した(黄連解毒湯+五苓散:n=8、黄連解毒湯:n=11)。Scoring atopic dermatitis(SCORAD);湿疹の面積と重症度指数(EASI);を使用して湿熱証に関連する症状に対する有効性を評価した。有効性の尺度は、ベースラインおよび4週間で評価された。安全性は、治療中の臨床検査を使用して、研究全体を通して評価された。

【結果】SCORADとEASIの両方は、黄連解毒湯群よりも黄連解毒湯+五苓散群がより多くの改善を示した。ただし、その差は統計的に有意ではなかった。湿熱証に関連する症状は両群で減少し、変化は同様だった。この研究中に報告された有害事象、またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、血中尿素窒素、およびクレアチニン検査で異常は観察されなかった。

【結論】この研究の結果は、黄連解毒湯+五苓散と黄連解毒湯の両方がADの湿熱証の患者に安全で効果的な治療となることを示唆している。

Impact Factor: 1.868 PMCID: PMC3390967