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漢方薬の代替医療からの脱出

オキサリプラチン神経毒性に対する牛車腎気丸の評価(GONE試験):オキサリプラチン誘発神経障害予防作用に関する第II相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験

doi.org

【目的】オキサリプラチン誘発性末梢神経毒性(OPN)は頻繁に発生し潜在的に重度だが、この臨床的ニーズの高い治療で成功しているものはない。標準的なFOLFOXレジメンで治療された進行または再発結腸直腸癌患者のOPNの予防において、漢方薬の牛車腎気丸による治療がプラセボよりも優れているかどうかを判断することを目的とした。

【方法】この第二相無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、オキサリプラチンベースの化学療法を受けている患者を無作為化して、経口で牛車腎気丸(7.5 g)またはプラセボを毎日投与した。 OPNの重症度は、ベースラインでの有害事象共通評価基準に従って、8サイクル目まで2週間ごとに、その後26週目まで4週間ごとに評価した。主要エンドポイントは、化学療法の8サイクル目までのグレード2以上のOPNの発生率とした。

【結果】治療企図解析(ITT解析)が行われた。 2009年5月から2010年3月の間に、牛車腎気丸(n=44)またはプラセボ(n=45)のいずれかに89例がランダムに割り当てられた。8サイクル目までのグレード2以上のOPNの発生率は牛車腎気丸およびプラセボ群(それぞれ相対リスク(RR)、0.76; 95%CI、0.47–1.21)でそれぞれ39および51%だった。グレード3のOPNの発生率は7%(牛車腎気丸)対13%(プラセボ)(0.51、0.14〜1.92)だった。牛車腎気丸治療では毒性に関する懸念は生じなかった。

【結論】牛車腎気丸は、忍容性があり、FOLFOXの有効性を損なうことなくグレード2以上のOPNの発症を遅らせる有望な効果があるようだ。

Impact Factor: 3.008 PMID: 24121454  PMCID: PMC3834178