Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

頭痛の発症の予防における代表的な漢方薬である呉茱萸湯の有効性

DOI: 10.1185/030079906X112769www.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】この臨床試験の目的は、慢性頭痛患者の頭痛の発症を防ぐために、代表的な漢方薬である呉茱萸湯の有効性を評価することである。

【研究デザインと方法】漢方処方の治療目標は、西洋医学とは異なる基づいて決定されているので、我々は最初に通常のランダム化比較試験を行う前に呉茱萸湯に応答したサブグループに属する患者を選択した。ステージ1の間、被験者は呉茱萸湯を4週間経口摂取するよう指示された。レスポンダーと判断された被験者のみがステージ2に進み、その間、二重盲検無作為化プラセボ対照試験が行われた。被験者は12週間、同じ用量の呉茱萸湯またはプラセボを摂取た。

【結果】ステージ1に登録した91例の被験者のうち、60例がレスポンダーと判断された。このうち53例はステージ2に進んだ。 28例が呉茱萸湯群に、25例がプラセボ群に割り当てられた。頭痛エピソードが発生した日数の減少は、プラセボ群よりも呉茱萸湯群の方が大きかった(2.6±3.7対0.3±4.0日、p=0.034)。 緩和薬の摂取頻度の減少に関して差は認められなかった(2.2±4.0対1.4±8.2、p=0.672)。関連する症状の改善は、呉茱萸湯群の被験者の50%以上で観察された。

【結論】呉茱萸湯は慢性頭痛患者の頭痛のエピソードを予防するのに有用である。レスポンダーが限定された研究デザインは、漢方薬を評価するための候補となる。

Impact Factor: 2.345