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漢方薬の代替医療からの脱出

急性感染性胃腸炎の成人日本人における五苓散とプロバイオティクスの有効性の比較:無作為化比較試験

DOI: http://dx.doi.org/10.1002/tkm2.1071www.semanticscholar.org

【目的】本研究では、急性感染性胃腸炎の成人日本人において五苓散の有効性をプロバイオティクスと比較した。

【方法】急性感染性胃腸炎の20歳以上の外来患者を2014年12月~2015年12月にこの非盲検前向きランダム化比較試験に登録した。75名の患者を、五苓散またはプロバイオティクス(ビフィズス菌)に無作為に割り付けした。主要評価項目は下痢および嘔吐の期間と頻度とした。副次評価項目は悪心、腹痛、発熱、疲労、食欲不振を含む随伴症状の持続期間とした。

【結果】下痢と嘔吐の期間と頻度は五苓散群(n=24)とプロバイオティックス群(n=25)間で有意差はなかった。副次評価項目である食欲不振(中央値2日、期間1~5日対2.5日、期間1~5日、P=0.01)と腹痛(中央値2日、期間1~5日対3日、期間1~5日、P=0.02)の期間は、プロバイオティックス群よりも五苓散群で有意に短かった。

【結論】食欲不振と腹痛の随伴症状の期間は、プロバイオティックス群よりも五苓散群で有意に短かった。五苓散は胃腸炎の一般的症状を改善する可能性がある。

臨床試験登録番号: UMIN000015875