Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

健常人における、ラニチジンと大承気湯の薬物動態学的相互作用試験

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【目的】ラニチジンはヒスタミンH2受容体拮抗薬であり、大承気湯は便秘や消化器の治療に使用される漢方薬である。過去の研究で、ラットのラニチジンの薬物動態に大承気湯が有意な影響を与えたことが示された。しかし当該研究におけるラニチジンと大承気湯の投与量は、臨床現場における使用量よりも高かった。したがって本研究では、健常人を対象とした臨床診療の使用量におけるラニチジンと大承気湯間の薬物動態学的相互作用を検討した。

【方法】本研究は健常人(n=7)を対象とした無作為非盲検2期交差試験である。健常人に対しラニチジン300mg単回投与またはラニチジン300mgと大承気湯2.5gの組み合わせのいずれかを投与した。ラニチジンの血中濃度はLC/MS/MS法を用いて12時間以上にわたり測定した。

【結果】ラニチジンの血中濃度ラニチジン単独投与群と比較して、大承気湯併用投与群でより低かった。大承気湯の併用投与群はラニチジンの0時点から 12時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-12)および最高血中濃度(Cmax)の幾何平均(GM)比[90%信頼区間(CI)]を有意に減少させた。AUC0-12 0.609(0.449、 0.826)およびCmax 0.515(0.345、0.771)。

【結論】健常人に対するラニチジンと大承気湯の併用投与は、ラニチジンの血中濃度を有意に低下させた。

Impact Factor: 0.850 PMCID: PMC4973016