Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

肺がん患者における化学療法誘発食欲不振に対する六君子湯治療の効果:前向き研究

dx.doi.org

本研究の目的は、化学療法後の食欲不振に対する漢方薬の一つである六君子湯の効果を検討することにある。2011年から2014年に、カルボプラチン(CBDCA)あるいはシスプラチン(CDDP)を含む化学療法、または非白金製剤による化学療法を受けた切除不能肺がん患者を対象症例としプロスペクティブに検討した。化学療法の各コースで対象を無作為に六君子湯投与群と六君子湯非投与群の2群に分けた。CBDCAを含む化学療法を施行された患者においては、六君子湯投与群の方が非投与群に比べ化学療法開始日から7日目の食事摂取量が有意に高かった(P=0.0078)。しかしながら、CDDPを含む化学療法あるいは非白金製剤による化学療法を受けた患者においては、六君子湯投与による有意な摂食改善効果は認められなかった。化学療法による食欲不振の発症率を改善する処置は、適切ながん治療コントロールに必要なものである。本研究により、化学療法による食欲不振の軽減に対する六君子湯の臨床応用の可能性を示唆するものである。

Impact Factor: 1.448 PMID: 26889248 PMCID: PMC4726884