茵蔯蒿湯はMajor hepatectomyに対する肝保護効果があるか？前向き無作為化試験
DOI: http://dx.doi.org/10.1111/hpb.12384
【目的】本ランダム化臨床試験は、茵蔯蒿湯がMajor hepatectomyの術後において、肝保護効果があるかどうかを調べるため実施された。
【方法】Major hepatectomyを予定している61例を、術前に茵蔯蒿湯を投与する群（茵蔯蒿湯投与群、30例）または非投与群（茵蔯蒿湯非投与群、31例）の2群のいずれかに無作為に割り付けた。茵蔯蒿湯は、手術前に少なくとも7日間投与された。主要評価項目は、肝切除術後肝障害の発生率とした。転写因子Nrf2および、肝臓中の他の酸素ストレス関連マーカーの発現も測定した。
【結果】茵蔯蒿湯投与群と非投与群間の臨床的特徴に有意差はなかった。肝機能検査の血清値および、肝切除術後の肝不全の発生率は、2群間で有意差はなかった。しかし、茵蔯蒿湯投与群において、非投与群よりも、肝臓におけるNrf2タンパク質とヘムオキシゲナーゼ-1 mRNAのような、抗酸化因子の誘導が有意に高かった。
【結論】茵蔯蒿湯の術前投与は、Major hepatectomyの総合的な結果には、有意な影響を及ぼさなかった。しかし、茵蔯蒿湯は肝切除におけるNrf2の発現を誘導し、肝臓に対する抗酸化作用が示唆された。
Impact Factor: 3.131 PMID: 25581163 PMCID: PMC4402058
臨床試験登録番号: UMIN000003690
