Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

健常成人日本人ボランティアを対象とした芍薬甘草湯単回経口投与後の活性成分の薬物動態

DOI: 10.1002/jps.24596

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芍薬甘草湯は、筋肉のけいれんや腹痛の患者に使用される漢方薬である。本試験では、一人当たり芍薬甘草湯2.5gまたは5.0g/日を単回経口投与として投与後の活性成分の血漿濃度について検討した。本試験は、健常日本人ボランティアを対象とした、無作為化非盲検2群間2期間の交差試験である。アルビフロリン(ALB)、ペオニフロリン(PAE)、グリシクマリン(GCM)、イソリクイリチゲニン(ILG)、グリチルレチン酸(GA)、グリチルレチン酸-3-O-モノグルクロニドを標的成分とした。各成分の血漿濃度は液体クロマトグラフィ質量分析法(LC/MS/MS)を用いて測定し、薬物動態指標を算出し、線形性を評価した。全ての標的成分が、芍薬甘草湯経口投与後の血漿中で検出された。 ALB、PAE、GCM、及びILGは、早い段階で検出された。直線性は、GCM、ILG、およびGAの最大血漿濃度およびGAの血漿濃度-時間曲線下面積で観察された。本試験において、我々は芍薬甘草湯経口投与後のヒト血液中にこれら活性成分が吸収されることを初めて実証した。ヒトにおける本薬物動態試験の結果は、基礎研究で予測された活性成分を検証し芍薬甘草湯の作用機序を理解する上でも、今後の薬物動態および安全性試験を行う上でも重要かつ有用なものである。

Impact Factor: 3.197 PMID: 26211516