Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

術前不安と鎮静レベルに対する抑肝散の効果

dx.doi.org

【背景】術前の不安は、頻脈や高血圧のような、好ましくない心理反応を引き起こす。術前不安を予防することは、手術の結果を改善し、入院日数を減らす。漢方処方の1つである抑肝散には、抗不安作用があることが知られている。本研究の目的は、術前不安、唾液アミラーゼ活性、鎮静レベルに対するジアゼパムと抑肝散の効果を比較することであった。

【方法】米国麻酔学会術前状態分類IまたはIIの患者で、硬膜外麻酔と全身麻酔を混合して、半結腸切除術を行った70例が試験に登録された。ジアゼパム投与群は、ジアゼパム5mgを経口投与、抑肝散投与群は、抑肝散2.5gを経口投与された。

【結果】不安のレベルと唾液アミラーゼ活性は、2群間で差はなかったが、抑肝散投与群のMOAASスケール(鎮静レベルの評価に用いる主観的な6段階のスケール)は、ジアゼパム投与群と比べて、有意に高かった。

【結論】抑肝散は、ジアゼパムと比べて、不適当な鎮静作用はなく、術前不安を緩和した。

CiteScore: 2.900 Impact Factor: 1.813

PMID: 24799947 PMCID: PMC3988893