糖尿病性合併症の予防における牛車腎気丸の長期効果：無作為化非盲検臨床試験
【目的】本臨床試験は、牛車腎気丸が糖尿病の合併症の発症を減少させるかどうかを調べるために計画された。
【対象と方法】2型糖尿病の患者計332例が、2000年3月から2007年8月までの間に、9施設で登録された。患者は、通常の治療に加え、牛車腎気丸エキス顆粒投与群（2.5gを1日3回）と、非投与群に無作為に振り分けられた。主要評価項目は、大血管疾患の発症、あるいは腎症、網膜症の進行である。統計解析は intention-to-treat（ITT）法で行った。
【結果】5年間の観察を行い、116例の患者が解析対象となった。期間中、両群において大血管疾患の発症は見られなかった。全体では、43例の被験者の網膜症や腎症のステージが上がったが、牛車腎気丸投与群と対照群の間で有意差はなかった。足首反射の悪化については、牛車腎気丸投与群で抑制された。また、糖化ヘモグロビン値と空腹時血漿グルコース値は、牛車腎気丸投与群で減少した。
【結論】解析症例数があまりにも少なく、大血管疾患、網膜症、腎症の進行に対する牛車腎気丸の有効性は示せなかったものの、牛車腎気丸は糖尿病性腎症と血糖管理に有効であることが示唆される。
CiteScore: 2.900 Impact Factor: 1.813
PMID: 24812564 PMCID: PMC4000675
