Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

当帰芍薬散は健常人の眼血流を増加させる

DOI: 10.1155/2014/586857

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

本研究の目的は、眼血流(OBF)における漢方薬の経口投与の検討することである。交差試験で、13名の盲検化された健常人に、5gの抑肝散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、あるいは八味地黄丸が無作為に投与された(平均年齢:37.3±12.3歳)。薬剤投与30分前および30分後に、視神経頭のMBR値(レーザースペックルフローグラフィーを用いた眼血流指数の定量値)を測定した。血圧や眼圧も測定した。いずれの漢方薬も、投与後の平均血圧と眼圧に有意な変化は見られなかった。当帰芍薬散投与30分後に、眼血流の有意な増加が見られた(100%から103.6±6.9%、p<0.01)。次に、当帰芍薬散を19名の健常人に投与して(平均年齢:32.0±11.0歳)、眼血流を投与前および投与15、30、45、60分後に測定した。対照群には水を用いた。対照群と比較して、当帰芍薬散投与後に眼血流が有意に増加し(p<0.01)、さらに治療前と比較して、眼血流が投与後30分から60分まで増加した(p<0.05)。これらの結果より、当帰芍薬散は健常人において、血圧や眼圧に影響を与えず、眼血流を増加させることを示唆している。

Impact Factor: 1.984 PMCID: PMC4020465