六君子湯はPPI抵抗性咽喉頭逆流患者の咽喉頭異常感を改善する
【目的】PPI抵抗性咽喉頭逆流症患者の咽喉頭逆流症状と胃排出能に対する六君子湯の影響を調べること
【方法】総計22例の咽喉頭逆流症患者が登録された。PPI単剤投与2週間後に、PPI抵抗性咽喉頭逆流症患者を無作為に2つの群に分けた（六君子湯単独投与群および六君子湯とPPI（ランソプラゾール）併用群）4週間の投与前後で、咽喉頭逆流症状をVASスコア、消化管症状をGSRS、胃排出を放射線不透過性マーカー法、を各々用いて評価した。
【結果】六君子湯単独、六君子湯とPPI併用の4週間投与により、咽喉頭異常感のVASスコアは有意に減少した。咽頭痛のVASスコアは、六君子湯とPPI併用投与では有意に低下したが、六君子湯単独投与では低下しなかった。どちらの群も、GSRSスコアには有意な変化はなかった。六君子湯は胃排出の遅延を改善した。咽喉頭異常感と胃排出の改善には、有意な正の相関関係が認められた。（r2 = 0.4582、p< 0.05）。
【結論】六君子湯は、PPI抵抗性咽喉頭逆流症患者の咽喉頭異常感を改善し、その作用の一部は胃排出の刺激によるものであった。従って、六君子湯はPPI抵抗性咽喉頭逆流症に有効な治療法である。
Impact Factor: 3.300 PMID: 23964146 PMCID: PMC3746384
