Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

肝切除患者の腹部膨満に対する大建中湯の影響

dx.doi.org

【目的】肝切除患者において大建中湯の臨床的有用性を評価すること。

【方法】21例がインフォームドコンセントに同意して登録された。うち2例は、手術をキャンセルしたため除外された。残る18例を、大建中湯単独治療か、大建中湯とラクツロースの併用療法のどちらかに無作為に割り付けた(各群9例)。データは前向きに収集した。主要評価項目は、腹部膨満のVASスコア、腹部症状の総GSRSスコア、腹部膨満のGSRSスコアとした。

【結果】腹部膨満のVASスコアと腹部症状の総GSRSスコアは、術後10日までに、術前レベルと有意差がないレベルにまで回復した。大建中湯とラクツロースの併用療法は、大建中湯単独療法と比較して、腹部膨満のVASスコアとGSRSスコア、総GSRSスコア、毎日のカロリー総摂取量の面で、有意に劣る結果となった。

【結論】大建中湯は、肝切除患者の術後管理において、腹部膨満の改善に対してだけでなく、術後の食事摂取増加による栄養サポートの促進に対しても有効な薬剤である。

PMID: 23671738 PMCID: PMC3646131