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漢方薬の代替医療からの脱出

BPSDの治療におけるリスペリドン、抑肝散、フルボキサミンの有効性と忍容性:無作為化盲検試験

DOI: 10.1097/JCP.0b013e31829798d5

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

BPSDという言葉は、不安、抑うつ、興奮性、攻撃性、摂食障害、不適切な社会的または性的行動を含む、さまざまな非認知障害領域をカバーするのに用いられている。BPSDは、認知症患者の90%で見られる。我々は、高齢者の認知症患者のBPSDに用いられる、リスペリドン、抑肝散、フルボキサミンの有効性と忍容性を比較することを目的とした。公徳会佐藤病院において、DSM-Ⅳの判定基準により認知症と診断された90人の入院患者について研究した。リスペリドン、抑肝散、フルボキサミンに関する8週間の評価者盲検化無作為化比較試験を行った。主要評価項目は、NPI-NHのトータルスコアと、その各項目とした。副次評価項目は、MMSE(ミニメンタルステートメント検査)と FIM(機能的自立度評価表)で評価した日常生活機能とした。神経学的有害事象はDIEPSS(薬原性錐体外路症状評価尺度)により評価した。試験を完遂した76%(92.7%)の患者について評価を行った。平均NPI-NHスコアは、全ての薬剤群で減少したが、群間に有意差はなかった。MMSEとFIMのスコアは有意には変化しなかった。DIEPSSスコアは、抑肝散群、フルボキサミン群では変化しなかったが、リスペリドン群では有意に増加した。リスペリドン、抑肝散、フルボキサミンは高齢患者のBPSD治療において、同等の作用を有していた。しかし、BPSDに対して、抑肝散やフルボキサミンは、リスペリドンよりも、より好ましい忍容性を示した。本試験は、UMIN臨床試験登録システムに登録している(登録番号 UMIN000006146)。

Impact Factor: 3.134 PMID: 23948783 臨床試験登録番号: UMIN000006146