Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

肋骨骨折に対する治打撲一方と非ステロイド系抗炎症薬の効果比較:無作為化比較試験

 

dx.doi.org

治打撲一方は、挫傷による腫れや痛みに使用される漢方薬である。本多施設無作為非盲検試験は、肋骨骨折患者における治打撲一方と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の有効性を治療期間の比較によって評価検討した。

本研究では経口摂取が可能な肋骨骨折患者170例を治打撲一方群とNSAID群の2群に無作為に割り当て、2群間の治療期間および医療費を比較した。両群における薬剤投与は、visual analogue scaleが前処置スコアの50%未満に低下するまで継続した。途中で投与中止した患者は本研究から除外した。治打撲一方群およびNSAID群患者各81例を分析した。年齢、性別、重症度(injury severity score)および基礎疾患の有無に有意な群間差は観察されなかった。治打撲一方群はNSAID群より治療期間が有意に短く(p=0.0003)、また医療費もNSAID群と比較し有意に低かった(p<0.0001)。本研究結果から、治打撲一方はNSAIDsと比較して、肋間骨折患者の治療期間を短縮することができ、医療経済的観点からも有望な鎮痛薬であることを示唆している。

Impact Factor: 2.064 PMID: 22888367 PMCID: PMC3409613