Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

牛車腎気丸、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が温感および冷感閾値ならびに末梢血流へ与える影響

 

dx.doi.org

本研究の目的は、温感閾値、冷感閾値及び末梢血流に及ぼす漢方薬の牛車腎気丸および当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効果を調べることである。健常ボランティア31名(対照群:9名、牛車腎気丸群:12名、当帰四逆加呉茱萸生姜湯群:10名)を対象とした。 2.5gの用量で薬物を投与した。分析は、1時間の投与の前後であった。これらの被験者の利き手ではない方の手のひらの温感及び冷感閾値は、サーモスタット(Intercross-200、Intercross Co. 東京、日本)を用いて測定した。フルフィールドレーザー灌流イメージャー(FLPI、Moor Instruments Ltd. England)を用いて、これらの被験者の利き手ではない方の指の末梢血流を測定した。対照群:vehicleは、温感閾値、冷感閾値および末梢血流量に有意な影響を及ぼさなかった。牛車腎気丸:温感閾値および冷感閾値が有意に低下し、冷感の反応潜時が有意に短縮した。末梢血流量は、第2指および第3指がそれぞれ115.6%、119.3%と有意に増加した。当帰四逆加呉茱萸生姜湯:冷感閾値および冷感の反応潜時が有意に増加した。末梢血流は第2指および第3指が有意に増加し、それぞれ114.3%、112.8%であった。これらの結果は、牛車腎気丸および当帰四逆加呉茱萸生姜湯が、変化した温感閾値、冷感閾値および増加した末梢血流に影響を及ぼすことを示唆している。