Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

更年期障害の患者に対する黄連解毒湯の臨床効果:加味逍遙散レスポンダーにおける症状との比較

 

doi.org

黄連解毒湯は血の道症を適応としているが、近年更年期障害に対する使用が少ないと思われる。今回、更年期障害症例40症例に対する漢方治療成績を調査したところ、改善38例、不変1例、判定不能1例であった。有効漢方薬としては黄連解毒湯11例と加味逍遥散10例が多かった。両薬有効例の症状所見を比較した。自覚症状スコアは黄連解毒湯群において「朝体が疲れる」、「体が重い」の2項目で上昇していた。他覚所見としては、黄連解毒湯群において、BMIの上昇を、加味逍遥散群では初診時の血圧上昇を認めた。少し以上の冷えの例は加味逍遥散に多く、冷えのない例は黄連解毒湯群に多かった。典型的2症例の経過を報告した。更年期障害に対する黄連解毒湯の運用は、近年の漢方テキストに記載されない傾向にあるが、より使われて良いと考えられた。