Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

加味逍遥散は更年期うつ病女性における血漿中インターロイキン-6(IL-6)と可溶性IL-6受容体濃度を低下する

 

ci.nii.ac.jp

我々は、加味逍遙散による更年期症状と血漿インターロイキン6(IL-6)、可溶性IL-6受容体(sIL-6R)濃度の改善について、抗うつ薬と比較して評価した。閉経期の症状を訴える100例を2群に振り分け(証を基に選ばれた48例を加味逍遥散群、52例を抗うつ薬群)、治療前、治療3ヶ月後に血漿IL-6、sIL-6R濃度を測定した。IL-6、sIL-6Rの血漿濃度の変化は、治療3ヶ月後に加味逍遥散治療群と抗うつ薬治療群の間で顕著な差が認められた(IL-6:それぞれ-29.1±7.3%および8.6±6.5%、sIL-6R:-17.6±4.9%および3.4±6.1%)。更年期指数の低下率と血漿IL-6、sIL-6R濃度の低下率の間の関連性について検討した。加味逍遥散群において、更年期指数の低下率と血漿IL-6(R=0.523、P=0.0043)、sIL-6R(R=0.536、P=0.0033)濃度の低下率の間には有意な相関性が認められた。この研究により、加味逍遙散は治療の間、血漿IL-6、sIL-6R濃度を低下させることが示された。この研究の知見から、加味逍遙散はストレス反応の軽減による有病率の減少に潜在能力を持っていることが示された。