同種幹細胞移植後のBKウイルス関連出血性膀胱炎に猪苓湯
DOI: 10.1016/j.bbmt.2014.10.018
造血幹細胞移植後のBKウイルス関連出血性膀胱炎（BKV-HC）に対する治療法は限られている。本研究では、BKV-HCに対する猪苓湯の有効性を検討した。2006年10月～2014年3月に同種幹細胞移植を受けた小児の中で、14例が造血幹細胞移植後BKV-HC（中央値 36日後、範囲 14～330日後）と診断され、そのうち連続する6例の小児に対して医療用漢方製剤の猪苓湯エキス顆粒を投与した。猪苓湯投与群の方が非投与群より治療前血尿Gradeが有意に高かった（P=0.018）。治療開始から完全緩解までの期間は、猪苓湯投与群（中央値 9日、範囲 4-17日）の方が非投与群（中央値 17日、範囲15-66日）で有意に短かった（P=0.037）。尿中BKVは猪苓湯投与1か月後から有意に減少した。猪苓湯による副作用は認められなかった。猪苓湯は、造血幹細胞移植後BKV-HC治療に安全かつ有望な治療選択肢であると思われる。
Impact Factor: 4.484 PMID: 25445026
