Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

四肢骨折の患者に対する治打撲一方の使用効果

 

DOI: 10.1016/j.pmu.2014.10.002

www.sciencedirect.com

【目的】治打撲一方は、打撲による腫れや痛みを軽減するために用いられる、漢方薬である。通常は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を、四肢の骨折に伴う腫れと痛みの治療のため用いる。しかし、NSAIDs使用の短所の一つは、抗潰瘍薬を併用投与された患者でさえ、胃腸障害を引き起こす可能性があることである。本研究では、四肢の骨折の患者における、治打撲一方の有効性を評価した。

【方法】四肢の骨折を伴う50例(男性15例と女性35例)を本試験に登録した。すべての患者に、非侵襲的な方法を用いて治療し、外傷の3日以内に治打撲一方を単独投与した。治打撲一方の有効性については、NSAIDsまたは他の薬剤の追加投与の必要性から評価した。さらに有害事象も観察した。

【結果】本試験参加患者の42%に併存疾患があった。平均治療期間は9.9±6.7日(1-35日の範囲)だった。40例は治打撲一方以外の薬を必要とせず、その有効性が明らかであった。5例は、治打撲一方からNSAIDsに薬剤を切り替え、1例は治打撲一方に越婢加朮湯を追加した。要約すると、90%の患者を漢方薬で効果的に治療した。有害事象は観察されなかった。

【結論】本研究は、治打撲一方が四肢の骨折に広く使用できることを示唆している。