Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

抑肝散によるシャルル・ボネ症候群(失明に起因する幻視)の治療:非盲検試験

DOI: 10.1097/WNF.0b013e318206785a

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】最近の研究によると、抑肝散はBPSDや境界性人格障害、神経安定薬による錐体外路性終末欠陥症候群、難治性の統合失調症に安全で有用とされている。幻視は失明、特に加齢による黄斑変性で、普通に、しばしばおこる悲惨な結果である。シャルル・ボネ症候群(CBS)は複合幻視、目の病変による視力の低下、保存された認知状態の3つにより定義される。われわれはCBS患者に対する抑肝散の効果と安全性に関して検討した。

【方法】GoldとRabinsとTeunisseにより作られた診断基準により、20例のCBSと診断された患者を対象とした。被験者には4週間抑肝散を非盲検で投与した(平均1日投与量:5.8±2.6g(2.5-7.5g))。評価には Neuropsychiatric Inventory(NPI)、Positive and Negative Syndrome Scale(PANSS)の幻視サブスケール、Clinical Global Impressionを用いた。本研究では薬物治療による重篤な有害事象は認められなかった。

【結果】上記3つの評価項目で、2-4週間目において幻視の有意な低下が認められた。

【結論】抑肝散はCBSの幻視をコントロールする有効で安全な治療法であろう。将来的には二重盲検のプラセボ対象試験をおこなうべきである。このトライアルのデザインを検討するために、本結果は慎重に用いるべきである。

Impact Factor: 1.370