Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

重度便秘症の小児における大建中湯の直腸肛門機能に対する効果

DOI: 10.1055/s-2007-965016

www.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】重度の慢性便秘症または直腸肛門奇形術後に重度の便秘を呈する小児に漢方薬の大建中湯を投与した。直腸肛門内圧検査に臨床スコアシステムを加え直腸肛門機能に対する大建中湯の効果を客観的に評価した。

【対象と方法】重度の慢性便秘症の小児10例と直腸肛門奇形術後に重度の便秘を呈する小児5例を評価した。これらの小児15例に大建中湯 0.3g/kg/日を3ヶ月から1年間投与した。腸機能および肛門括約筋機能、直腸貯留能を直腸肛門内圧検査と臨床スコアにより客観的に評価した。

【結果】重度の慢性便秘症の小児10例において大建中湯投与後の臨床スコア(7.2±0.8)が大建中湯投与前(4.6±2.9)に比較して有意に改善した(p<0.02)。大建中湯投与後の感覚閾値18mL;p<0.05)および最大耐容量(229±99mL 対144±47mL;p<0.01)は有意に減少し、また大建中湯投与後の直腸コンプライアンスも有意に減少した(12.4±10.9mL/cmH2O 対4.7±3.9mL/cmH2O;p<0.05)。

【結論】本試験により大建中湯は小児の重度便秘症に対し良好な臨床効果があることが示され、直腸肛門内圧検査では直腸の貯留能の改善が認められた。以上の結果は大建中湯の刺激による腸が蠕動した結果として生じ、これにより排便習慣が規則正しい状態に促されたと思われた。

Impact Factor: 1.494