Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

抗精神病薬によるパーキンソニズムの振戦に対する加味逍遥散(TJ-24)の有効性

本研究の目的は、抗精神病薬によるパーキンソニズムによる振戦に対する加味逍遥散の有効性を評価することであった。加味逍遥散は、漢方薬としてパーキンソン病やけいれんに効果があることが知られている数種類の生薬から構成されている。国立病院機構尾張病院で抗精神病薬によるパーキンソニズムの症状である振戦を呈している患者8名に加味逍遥散を投与した。加味逍遥散投与前と投与後の振戦を5段階で評価し、その結果を統計的に比較した。その結果、加味逍遥散の投与により、62.5%の患者において1点以上の改善が認められ、統計学的に有意な振戦の減少が認められた(P<0.01)。また、振戦の悪化はなく、副作用を訴えた患者もいなかった。このように、加味逍遥散はパーキンソニズムによる振戦に有効であることが示唆された。加味逍遥散は、中医学の理論に基づき、筋肉運動の障害に有効な柴胡、芍薬、当帰、甘草など10種の薬草で構成されている。加味逍遥散に含まれる10種類の生薬のうち、上記の生薬は特にパーキンソニズムに伴う振戦の軽減に有効であると考えている。

Impact Factor: 3.199