Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

3種の漢方製剤の効果:睡眠障害を有する閉経前後の日本人女性に対する当帰芍薬散(TJ-23)、加味逍遥散(TJ-24)、桂枝茯苓丸(TJ-25)の効果について

doi.org

【目的】睡眠障害を有する閉経前後の女性に対する漢方薬の効果を評価すること。

【方法】1995年から2009年の間に東京医科歯科大学更年期障害クリニックで健康・栄養教育プログラムを受けた閉経前後の女性1,523名の記録のうち、中等度から重度の睡眠障害に悩む女性約151名を対象にレトロスペクティブ分析を実施した。これらの女性は、健康/栄養教育のみを受けた者(コントロール、n=77)と3大漢方製剤のうちの1つによる治療を受けた者:症状パターンに応じて、当帰芍薬散(TJ-23、n=42)、加味逍遥散(TJ-24、n=16)、桂枝茯苓丸(TJ-25、n=16)、いずれかの漢方治療を受けた者であった。睡眠パラメータ、更年期症状、健康関連QOL、体組成、血圧、脈拍が介入前後で比較された。

【結果】TJ-25群は他の群に比べ、ベースライン時の体重、体格指数、体脂肪、除脂肪体重、安静時エネルギー消費量が有意に高く、血圧と心拍数が比較的高かった。TJ-23は、5ヶ月間の追跡調査において、睡眠障害頻度の減少、除脂肪体重の増加、拡張期血圧の減少を認めた。TJ-24は、自覚的な睡眠障害を軽減し、入眠困難睡眠障害、非回復性睡眠を改善し、頭痛/めまいを緩和した。TJ-25 は、自覚的睡眠障害を改善し、発汗を緩和し、収縮期/拡張期血圧および心拍数を減少させた。

【結論】各漢方製剤により日本人閉経前後女性の睡眠障害は効果的に緩和された。中高年女性の睡眠障害は、漢方薬で治療できる可能性がある。

Impact Factor: 2.236 PMID: 21120510