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前立腺経尿道的切除術時の経尿道的切除症候群の予防における五苓散の有効性:無作為化比較試験

DOI: 10.1089/acm.2019.0269

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】前立腺の経尿道的切除術(TUR)中に使用される非導電性の洗浄液は、体液過剰および希釈性低ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。TUR症候群は、一般に、血清ナトリウムが125mmol/L以下で心血管症状および神経症状を伴うとして定義される。この研究の目的は、五苓散が、前立腺のTURを受けている患者の血清ナトリウムレベルとTUR症候群の発生に及ぼす影響を評価することだった。

【計画】これは無作為化比較試験とした。

【設定/場所】この試験は、大阪医科大学附属病院と健栄会三康病院で実施された。

【対象】前立腺のTURが予定されている50例が含まれた。

【介入】五苓散群(n=23)の患者は、手術の前夜と手術の朝に2.5gの五苓散を経口投与された。対照群(n=27)は五苓散を非投与とした。外科的処置、周術期管理、および患者モニタリングは、他の点では両群で同様だった。

【評価項目】主要評価項目はTUR症候群の発生とした。二次評価項目は血清ナトリウム濃度とした。

【結果】血清ナトリウムはすべての患者で125mmol/Lを超えたままであったため、TUR症候群の基準を満たした患者はいなかった。ただし、五苓散群は、対照群よりも有意に高い術中ナトリウム値(p<0.001)および有意に高い術中(p=0.008)および術後(p=0.02)ヘモグロビン値を示した。

【結論】これらの所見は、術前の五苓散投与が、前立腺のTURを受けている患者の血清ナトリウムレベルを維持するのに役立つ可能性があることを示している。

CiteScore: 3.000 Impact Factor: 2.256