Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

造血幹細胞移植後の出血性膀胱炎のため猪苓湯を処方されている小児における証と放射線医学

DOI: 10.1002/TKM2.1053

scinapse.io

【目的】猪苓湯は造血幹細胞移植を受けている子供の出血性膀胱炎(HC)の疾患負担を軽減するが、根本的な漢方のメカニズムはまだ解明されていない。病態生理学的考察を得るために、本研究では、猪苓湯治療中の証と泌尿生殖器画像の変化を評価した。

【方法】幹細胞移植後の遅発性HCの10例の連続した子供は、猪苓湯で治療された。猪苓湯治療の前後の証とコンピューター断層撮影(CT)を遡及的に分析した。

【結果】年齢の中央値が9.7歳(範囲、5.4〜14歳)の10例の子供が遅発性HCと診断された。 9例はBKウイルスで、1例はアデノウイルスだった。猪苓湯服用開始から完全な解決までの期間の中央値は12日(範囲、4〜28日)だった。10例の子供全員が、診断時に膀胱湿熱の証を満たした。すべての小腹に熱感や拘急があり、8例の子供が滑脈を示していた。CTは、診断時に10例の子供のうちの4例で取得され、そのすべてが膀胱壁の肥厚と周囲の炎症を示した。中央値26日(範囲、8〜40日)の猪苓湯治療後、湿熱の兆候があった子供はおらず、これは、CTで確認されたように、周囲の炎症の消失と一致した。

【結論】滑脈かつ小腹の熱感/拘急は、HCが原因の下焦での湿熱の蓄積を反映することがある。これらの所見の改善は、HCの猪苓湯治療の代理応答マーカーとして使用できる。これは、将来の前向き研究で確認する必要がある。