Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

上気道疾患がある喘息患者における辛夷清肺湯の効果:後ろ向きコホート研究

DOI: 10.1089/acm.2016.0181www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】重度の喘息はしばしば副鼻腔疾患に関連している。辛夷清肺湯は、副鼻腔炎の治療に使用される漢方薬である。 しかし、喘息の治療におけるその有効性は解明されていない。

【目的】この研究の目的は、上気道疾患を伴う喘息患者における辛夷清肺湯の有効性を調べ、応答者の特徴を特定することだった。

【方法】2011年9月から2015年2月までに辛夷清肺湯を少なくとも1回投与された外来患者の上気道疾患を伴う喘息患者のカルテを遡及的に分析した。これらはレスポンダーとノンレスポンダーに分類され、特性の違いを2群間で比較された。

【結果】辛夷清肺湯は21/40(52.5%)の患者に効果があった。レスポンダーと非レスポンダーの間に、年齢、性別、または喘息発症年齢に関して有意差はなかった。ただし、アスピリン不耐性の頻度、喘息の治療段階、および血清免疫グロブリンEレベルは、レスポンダーの方がノンレスポンダーよりも有意に高かった(それぞれp=0.022、p 0.017、およびp=0.017)。 付随する好酸球性慢性副鼻腔炎の発生頻度は、両群で有意差はなかった。

【結論】辛夷清肺湯は、上気道疾患の患者の喘息の治療の潜在的な代替手段になる可能性がある。

Impact Factor: 1.868