Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

耐糖能異常を有する日本人肥満女性での防風通聖散の有効性と安全性の評価

DOI: 10.1111/j.1440-1681.2004.04056.xwww.ncbi.nlm.nih.gov

  1. 本研究では、漢方薬(麻黄でエフェドリン24mg/日、甘草、連翹および荊芥他の14種類の生薬のホスホジエステラーゼ阻害効果から判断して、カフェイン280mgの効果に相当)である防風通聖散の耐糖能障害(IGT)のある肥満女性における最初の無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。
  2. 本研究の目的は、防風通聖散が内臓脂肪過多およびインスリン抵抗性の減少に効果的かどうかを判断することである。低カロリー食(5016kj/日:1,200kcal)および運動療法を実施したIGTおよびインスリン抵抗性(IR)のある81人の日本人女性(肥満度指数(BMI)36.5±4.8kg/㎡)が、運動レジメン(1254kj/日:300kcal)とプラセボ(n=40)またはBF治療(n=41)のいずれかを1日3回受けるように無作為化された。
  3. 24週間の治療後、防風通聖散群は補正安静時代謝率(RMR)を低下させることなく体重と腹部内臓脂肪を有意に減少させた(P<0.01)が、プラセボ群は体重を減少させた(P<0.05)ものの、腹部内臓脂肪の有意な変化はなかった。防風通聖散群は、治療前の値と比較して、空腹時血清インスリンレベルが低く(P<0.05)、インスリン濃度曲線下面積が低く(P<0.05)、インスリン抵抗性指数のレベルが低かった(P<0.01) 。
  4. 防風通聖散は、IGTを有する肥満を治療する上で有用な漢方薬である可能性があると結論付けた。

Impact factor: 2.336