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漢方薬の代替医療からの脱出

膵頭十二指腸切除術後の血清サイトカインの推移:JAPAN-PD補助研究

doi.org

私たちは以前、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照方式で膵頭十二指腸切除術(PD)後の腸機能に対する、広く使用されている大建中湯の効果を調べることを目的とした研究を行った(JAPAN-PD研究)。この付随研究では、PDを受けた患者の血清サイトカインレベルに対する大建中湯の効果を調査した。いくつかの臨床変数がベースライン血清サイトカインレベルの絶対値に影響を与える可能性があるという事実のため、術後日(POD)3のサイトカインレベルとPOD1のサイトカインレベルの比率も分析に使用された。本研究では、無作為化された180/224名の患者を登録し、そのうち91名が大建中湯を、89名がプラセボを投与された。分析の主な発見として、ウィルコクソンの符号順位検定では、グループ間の血清サイトカインのレベルに有意な差は認められなかった。ただし、重度の炎症性合併症のない大建中湯群の患者では、プラセボ群の患者と比較して、インターロイキン(IL)-4(n=123)、IL-9(n=72)、IL-10(n=97)、PDGF-BB(n=143)および腫瘍壊死因子-α(n=135)の有意に高い比率を示した(P<0.05)。本研究の結果によると、大建中湯はPD後のPOD1からPOD3への血清サイトカインレベルの変化に影響を及ぼす。しかし、PD後の術後回復におけるサイトカインの異なる移行パターンの役割は、これらの抽出されたサイトカインに焦点を当てたさらなる作用機序研究によって調査する必要がある。

Impact Factor: 1.871 PMID: 30333892 PMCID: PMC6176400

臨床試験登録番号: NCT01607307