Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

軽度認知障害を伴う脳卒中患者における釣藤散投与後の事象関連脳電位の変化

doi.org

【理論的根拠】血管性認知症の治療に有効な薬剤はほとんどないと報告されている。この状態で効果が期待される漢方薬である釣藤散だが、この薬が脳活動や認知機能をどのように調節するのかは不明である。P3イベント関連脳電位(ERP)は、認知機能のいくつかの側面のための信頼性の高い電気生理学的指標を示す。

【目標】軽度認知障害脳卒中患者に対する釣藤散の投与の効果を評価するためにP3 ERPを測定した。

【方法】釣藤散は12週間に亘り10名の慢性脳卒中患者に投与した。P3 ERPは、高密度アレイEEG記録システムを用いた時折の新しい音を含む改変された聴覚奇数パラダイムで薬物投与の前後に記録された。ERPの再現性は、12週間間隔の他の10回の脳卒中患者でも評価された。認知機能は、ミニ精神状態検査(MMSE)と言葉の流暢性テストで評価された。

【結果】12週間の釣藤散の投与はMMSEと言葉の流暢性テストの点数を大幅に改善した。ターゲットサウンドや斬新なサウンドに対するP3レイテンシーと振幅の再現性は優れていた。標的音へのP3待ち時間は、薬物投与後の音に対する反応時間の短縮に伴って短縮された。さらに、新しい音へのP3振幅が拡大され、その地形は中央から前頭のサイトにシフトした。

【結論】これらの結果は、釣藤散が軽度の認知障害を有する脳卒中患者における神経心理学的検査の点数に加えて、注意と意思決定に関連する電気生理学的指標を改善することを示している。

Impact factor: 3.424 PMID: 14615873