Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

内視鏡的粘膜下層剥離術後の消化管症状と機能の特徴、および六君子湯を用いた消化管症状の治療

 

dx.doi.org

本研究の目的は、内視鏡的粘膜下層剥離術後の消化管症状と胃内容排出を調べると同時に、六君子湯を用いた新規治療方法を評価することであった。ステップ1研究では、内視鏡的粘膜下層剥離術後6-8日に消化管症状と胃内容排出を評価した。ステップ2研究では、PPIPPI単独投与群:5例)またはPPI六君子湯を併用(PPI+六君子湯群、8例)投与して、4週間後と8週間後のGSRSスコアを、治療前の値と比較した。内視鏡的粘膜下層剥離術後、大多数の患者に腹痛と便秘が発生した。術後6-8日の胃内容排出の平均T-max値は75.4±13.6分であり、健常人で報告されているT-maxの平均値(43.9±10.3分)と比較して有意に長かった。ステップ2研究においては、8週間投与後にPPI六君子湯を併用した群だけで、総GSRSスコアが有意に改善した。内視鏡的粘膜下層剥離術は胃内容排出に影響を与え、腹痛と消化不良のような上部消化管症状の発生増加に関連するという結果であった。六君子湯内視鏡的粘膜下層剥離術を受けた患者の消化管症状の治療において、新たな補助的治療薬として有用かもしれない。

Impact Factor: 1.448 PMID: 24223626 PMCID: PMC3820687

臨床試験登録番号: UMIN000002302